小児ERの体験談と注意点

前回のお話の続きです。

 マンハッタンの東側68丁目にある「New York-Presbyterian / Well Cornel Medical Center」内にある小児ERにいきました。ここを選んだ理由は、子供たちが生まれた病院は家から少し遠いので少しでも近いところが良かったのと、同じ系列なので1つのアプリで全ての情報が管理されており、相互性があり楽だった、という理由です。そうなのです、ニューヨークの病院(おそらくアメリカの大きな病院)は、「My Chart」というアプリで過去の履歴や診察内容、検査結果、お支払いなどができることが多いです。こちらはまた時間のある時にお話ししたい次第です。

 さて、病院に着く頃にはお坊ちゃまはちょっと疲労感があるぐらいで、あとは至って普通で、いつ帰れるか、iPad見ていいかなど、まだドクターにもあっていないのに質問攻め。私も質問したかった(笑)「Emergency Walk-in」のドアから入りフロントの方に「子供のERにきた」というと、誰が何故ここにきたかという内容とIDを見せて、と言われました。とりあえず発作らしきものが起き、かかりつけの小児科医からERに行ってと言われたことを伝えると、子供の名前とバーコード、ナンバーが記載されたシールタイプのリストバンドを付けてもらい「奥の小児ERに進んでね」と言われました。そのまま奥に行くとまたちょっとした受付的な場所があり、リストバンドと同じものが記載された用紙を渡して小さな部屋で待つように言われました。

 この小さな部屋ではバイタルチェック(血圧、体温、体重、身長)をざっと測ります。この時点でお坊っちゃまは「注射するの!?」とビビりまくりでした。長身のナースさんがたわいも無い問いかけを繰り返し、あっという間にバイタルチェックは終わりました。小児ERだけあって子供の取り扱いはとても参考になります!なんて思ってしまいました。そのまま椅子に座り診察の順番をを待ちました。

 名前が呼ばれたので別のナースさんについていくと、そこにはナースステーションのようなコーナーが右奥にあり、左右にトータル6台ぐらいのベッドが並び、それぞれカーテンで仕切られているエリアでした。ナースステーションの奥には個室が3部屋ぐらいありました。我がお坊っちゃまはカーテン部屋の一番奥の壁側でした。ベッドで寝たり座ったりしてドクター待ってててね、と。さてさてここから長い長い1日の始まりだとは、私も想像していませんでした。

 まずはとにかく部屋は寒い。冷房ガンガンです。もしもERに行くことがある方がいらっしゃいましたら、確実にブランケット&ジャケット必須です。でももしも緊急性が高く何も用意がなくても大丈夫です。ナースさんに言えば乾燥機から出したばかりのような温かいシーツをたくさんいただけます(笑)←ちなみに私たちはこれで凌ぎました(笑)次に子供用のタブレット、充電器は必須です。充電器も2つあると自分の携帯も充電できるので良いのと、長いコードのものがおすすめです。なんせ充電口が変なところにあったり、何かの隙間にあったり、ベッドまで伸ばすのが大変だったりするので、長いほど便利かもしれません。あとは基本的に飲食OKなので、スナックや軽食があると子供へは良い時間潰しになります。でもこちらも用意できなかった場合でも、ナースさんに何か食べたり飲めたりするものある?と聞くと、病院食のあまり物や、基本的に置いてあるもの(アップルジュースやゼリー、牛乳)は頂けます。最後に子供の好きなぬいぐるみがあると心強いです。私にとっても心強い存在でした。

 動画も見飽きた頃、一度ドクターがみにきてくださいました。どんな症状が起きたか、小児科に行ってどういう話になったか、「立ってみて」「歩いてみて」「これ触ってみて」「こうやって指動かしてみて」「これ目で追ってみて」などの質問を終え、「おそらくてんかん発作だと思うので、今から小児脳神経外科の先生を呼ぶのでお待ちください」と言われました。どうやらこの先生は総合的にまずは診るドクターなようです。

 はい、ここからもたくさん待ちました。その間にお坊ちゃまは昼寝。私は隣やその隣の救急患者さんのやりとりを聞いてドキドキハラハラ、奥の個室からは啜り泣きの音、なんだか「人生」というものを今一度考えさせられる小さな空間での時間でした。昼寝から起きたお坊っちゃまは動画に飽き始め、またいつ帰れるかの質問コーナー。そんな時、ボランティアの女性が立ち寄ってくださいました。「どんなスポーツやアニメが好き?」と聞いてくれて、そのあとスターウォーズのパズルやお絵かきセットを持ってきてくださいました。なんと天使!!!どうやら彼女は大学生で、今はボランティアで子供のケアを担当しているとのこと。日本では大きな病院のERに行ったことはないけど、こういうポジションってすごく貴重だな、と感じる瞬間でした。なんだかふっと緊張が和らぐ時間になった気がします。

 何時間待ったかわかりませんが、やっと小児脳神経外科のドクターが参上。バイタルをもう一回見たり、体の動かし方を見たり、目の動きを見たりしてからガラガラとモニターを運んできた年配のお姉さまとお話をしていました。そのモニターで軽い脳波テスト(EEG test)をするとのことで、お坊っちゃまの頭皮にスライムみたいなものを何箇所にも付け、そこから無数のコードがつながるモニターで脳波を測っていきました。1時間弱ぐらい測ったでしょうか。ちなみにこのスライム、白く残るんですが、結構取るのが大変で、普通にシャンプーしては取れなかったので、つまんで取れるだけ取ってからシャンプーがおすすめです。そのあとドクターから説明がありました。テスト中お坊っちゃまは昼寝をしていたので、それが逆に良かったのか、高い確率で「ローランド溝てんかん」ということがわかったとのことです。就寝直後、もしくは起きる直前に脳波に異常が現れるとのことで、通常は大きな発作は起こりにくいため、後日同じ小児脳神経外科の先生のアポイントメントの時まで様子を見ましょう、ということになりました。様子見で大丈夫なのか!という少しの安心感と、えっ、てんかんって、、、、、、という不安感と、なんだかどうしようもない気持ちになりましたが、とにかくまずは頑張ったお坊ちゃまを不安にさせないよう、無理に明るく接しながら帰路についたような記憶です。

 ちなみにその場で何もお支払いは発生せず、その場で退院(Discharge)の紙にサインをし、今日の検査内容やドクターの名前、次回のアポイントメントの場所と電話番号がのった用紙をいただきそのままERを後にする、という流れです。アポイントメントは、後日電話で確約をする必要があります。帰路は意外とあっさりな小児ERのお話でした。